どうかそのままで どうかそのままで

先週末、ようやく新しくできたライブハウス・Veatsへ🎶

ヒグチアイちゃんのワンマンライブです!

縦長のライブハウスは約300人ほどのキャパシティらしい。満員のお客さんでヒグチアイちゃん全然見えなかったよ(笑)。自虐も含めてお客さんのツイッターでのつぶやき「ヒグチアイのライブなのにお客さんが多い」ってのを見つけてイジってたけど、わたしは今年に入ってさんざん言うてるじゃないか、ヒグチアイの音楽は聞かれるべき音ではない、聞かれなくてはいけない音楽だ、と(^^)

ライブの前半、声に違和感を感じて(たぶん歌っている本人もだし、一部お客さんも)このまま続けて大丈夫かな…と一瞬思うほどだったけど、最終的にそんな状況もリカバーしてたね。完全にそんなこと終わる頃には忘れてました。あの、全てをかっさらってしまう音の世界はすごい。やっぱりヒグチアイはすごい!

女性のシンガーソングライターなので男性のファンはもちろん多いけど、やっぱり女性の心を掴むんだな、わたしの目の前にいた女子2人は最後抱き合って泣いてた、そんなのライブハウスで初めて見た。聞いている音源をライブで聞くことで、心が浄化されるような感じなんじゃないかなぁ、と思う。すーっと霧が晴れていくように心が澄んでいく感じ。完全に晴れなくてもやっとした感じは残っても、でも、それくらいもやっとしているくらいが人間だし、ちょうどいいよ、って。ヒグチアイは言っているような気がする。

確か、妹さんをギターに従え(ひぐちけいさん)、計4人のバンド編成でのライブ。赤い衣装で鍵盤を弾く姿はミューズのような美しさ。一人の弾き語りも素敵だけど、スリーピースでの演奏もいいけれど、この4人でのライブというのを見ておくことができて、本当に良かった(^^)

アンコールに、東京のことを歌った曲を披露していたけど、あの曲、面白かったな。なんか今回のアルバムのテイストとちょっと離れた感じの軽快さがあって、あ、こういう曲も書ける人なんだ、という感じもあって。オリンピックの前とかになんらかで耳にする機会が今後、あるでしょうか?

9月末のことになりますが。初めて、ヒグチアイと対峙しました。music with you!放送後期もご覧いただきつつ。ライブを見て一方的にファンになっていたわたしのリクエストに応えてくださったレコード会社の方、ありがとう。『一声(いっせい)讃歌』というタイトルのアルバムを持って、ちなみに先週末のライブはそんな最新アルバムのタイトルになぞらえて『一斉参加』。なるほど、うまい!

スタートの喋り始めのご挨拶時。大きな目がこっちを向いていたかと思えば、あっちを向く。まずその部分から気になってご本人に尋ねたら、「右側を向いている時は、先のことを見る時、左側を見る時は過去のことを見る時」と…なんでも脳の働きとしてそうなるらしい、自分の脳を見て喋るとそうなるってことなのかな。

ヒグチアイちゃんが語っていたことも備忘としてそのまんま残しておこう。

「世の中の売れている曲や入ってくる曲は、未来に向けて、とか、がんばろう、とか、そういう曲が多いと思う。来年オリンピックもあるし。でも私は、未来のことを考えるのではなく過去のことを考えたいと思った。この1年、すごく自分のことを考えて、紙に書き出した。この時のこれがいやだったから私はこれが嫌いなんだとか、この時の一言が、とか、全部書き出してそれから(最新アルバムの)曲を書いた。だからこそ、わからないことというのも減った気がするし、ちゃんと繋がったような感じがする。私、これ以上井戸は掘れません、もう底まで来ちゃってます、ってくらい深く考えた」

「(上記を受けて)自分に向き合うことは、ネガティブになってしまうこと。でもそれがあるからこそ先に進めることが絶対にあって、そこを乗り越える・受け入れることで絶対に強くなれるところがある。不安な足元みたいなところをちゃんと固められるところがある。今しんどい人、辛いと思っている人たちはみんな絶対、そのあと強くなれるから。向き合うことで強くなれるしそういう時があった方がいい、と。そんな風に、私は思っています」

歌をうたっていくという決意。それがみなぎった今回のアルバム。「アルバムのことをタイトルにしたというよりも、自分の決意としてつけたタイトルかも」というアルバムのタイトルは改めて、『一声讃歌』…一つの声を、讃える歌と書く。「自分が心を開くことができるのは、歌をうたうことでしかない」と語り、「私の声が、いろんな人に伝わっていって、その人が心で歌ってくれて。それが、たくさんの人の歌に変わっていってくれたらいいな」…そう、そして変わっていってるのを目の当たりにしたのがVeatsでのライブだったよ(^^)

いったん音楽から離れた若い時があって、それでもやっぱり音楽に戻った。「好きなものは大切にしなくちゃいけないと思うし、好きになれて良かった」という言葉には、きっと離れた時があるからこそ感じられる思いなんじゃないかと思う。そして音楽を本格的に始めてから東京事変ドラム・畑さんにドラムを叩いてもらった約5年前、そして今もサポートを受けていることに「アンタ、間違ってないよ、そのまんま続けたらいいよ」って。そりゃそうだよね、高校時代に東京事変のコピーをしていたころにそんなこと、夢にも思わないものね。あの時の自分に自慢したい、なんてことも言っていたけれど、わたしは、彼女なりの紆余曲折があるからこそ、そういう夢のようなことが起こったりする気がしてなりません。

「誰かに言っているのではなく、自分に言っている歌詞。私は人に何かを言えるほど立派な人間ではないから、‘こういう風にあれたらいい’と自分に言っている曲をずっと書き続けていると思う」と歌詞について語った、最新アルバムの1曲めをどうぞ。ズバーンと来ますよ、ぜひ最後までどうぞ。

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