‘回答はあっても 解答はない’

なんだか得るものが多くてスローペースで読んでいる、村上春樹氏のインタビュー集。

この本。ワタシのライブ友が送ってきたものです。「少しでも、心が穏やかになれば」というお手紙と共に。忘れません。震災から半年くらい経ってからのことでしょうか。その時期は忘れてしまったけど。

しかしながら…正直、放置してました。まず、村上春樹は好きでも、自分が興味がないまま手にした場合、分厚すぎる(笑)。そして、ソモソモ論として、村上春樹作品を読むのはたいへん体力がいる。ワタシはたいてい一気に行ってしまって理解できないぞーもう1回、ってな流れになる。そんで読んでると内蔵?がおかしくなってくるんだよね、「1Q84」は吐き気をもよおして仕方なかった。普段眠ってる細胞がチクチク動き出してくっついて、これまでの人生でもたらさないような影響を身体に及ぼす、みたいな?なのにやめられない。

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」だってバッチリ予約、発売日すぐから手元にあります。が、上記の理由により、まだ手を付けていない。体力いるんです、マジで。笑

ライブ友がなぜこの本を送ってきたのか。読んでみて、分かるところがある。もしかすると、時間が経ったから、理解できているところもあるのかもしれないけど。

まだ読んでる途中ですが。逃げるわけにはいかない、のです。自分が選んだ道であれば。

 

『もしもあなたが本当に望むなら、壁を通り抜けて別の世界へと入っていくことができるでしょう。ある意味、現実から自分を解放することは可能なんですよ。それこそ、僕が自分の本の中で試みていることです。それはたいへん東洋的で、アジア的な考え方だと思います』

アジア的、とか、東洋的、とか。そんな比較論はワタシなんかまるで出来ないけど。

ふと。

去年の初夏。パリからジュネーブへ、列車で行った時のことを思い出した。

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相席になった女性です。アラブ系の血だけど、今はフランスの国籍も持ってる。基本的にフランスで生活をして、でも故郷はアラビア圏。そんで、娘さんが結婚してスイスにいるから、移動してるところだった。

ワタシのことは中国人だと思った、って言われた。「いま、ヨーロッパの観光客は圧倒的に中国人だから」という理由で。

日本から来たよ、と言ったら、彼女が最初に言ったのは。

「フクシマの皆さんは…大丈夫?」

フランスは原発がいっぱいある国。だから原発のリスクも分かってる方だった。でも、日本は地形が違う、フランスと同じような地形ではない、同じように考えてはいけない。

そして、日本の食物の輸入禁止が続いている話(日本人なのに知らなかった、情けない)にもなった。ワタシは何をやってるんだ?なんで異国でこういうことを知らなきゃいけないんだ。たとえばコチラ、見てもらえたら。時間が経って、検査と審査がより厳しくなっているのも分かるかと。

なんだか情けないまんま、話をひたすら聞いていたら。彼女はこう言った。

le pays du soleil levant…日出ずる国。日本は、古から。そんな、国だから。ライジング・サン。陽はまた、のぼる。きっと、日本は、大丈夫。

…こうして話していたら、おおよそ4時間の道のりはあっという間だった。

こんなに親しく何時間も話をしたら、連絡先の交換でもしようものですが。彼女はこう、書いたんです(手帳のメモによると…スペルが若干読み取りずらいので違うかもしれない)。

「In challah」

彼女の母国語のアルファベット表記だそうです。英語だと、‘God only knows’。

また、出会えたら、その時に。そして、また出会えるかどうか、は。神のみぞ知る。私は日本語を少しでも覚えるようにするから、あなたはフランス語、がんばって。

なんというか…中東の方とはそうそう知り合う機会がないことなので、一概にそう言ってしまっていいのか分かりませんが、感覚が、アジア圏とは違うなぁ、って。思ったんです。こういうことなんだなぁ、と。肌で分かった。それを寂しいとも思わなかったし、やっぱり、地域みたいなものの括りでの文化とか考え方ってものは、ある。

それを目の当たりにした感じでした、ってのを。本を読みながら思い出したんです☆

こうして思い出すことが、自分の体に経験を取り入れて排泄する…そうして、記憶がよりしっかりしたものになっていくのかもしれませんね☆

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ジュネーブに着いたのは夜の10時頃だったのですが、道中、だいぶ明るかったです。だってこれ、到着後の写真だからね。まだほの明るい(笑)!

【⇧と、書いたのですが、振り返ってみて、なんかトラブルがあって電車が止まったんだよね。20〜30分くらいだったかな?たぶん、その時ホームに出て撮ったんじゃないか?と思う。でも夜の9時くらいじゃないかな?ジュネーブ着いた時はさすがに暗かったよ?なぁ?…と。ついでに、向こうの電車はあまりご丁寧に車内アナウンスや発車のベル等も鳴りませんのでお気をつけて♪】

記憶が間違ってなければ、ドキドキしながらパスポートを携え国境をまたいだのですが、検札みたいなのはなかったです。EU圏の移動は確認作業はない、と(確か)聞いた気がします。

(ちなみにフィンランドからロシアへも鉄道の旅で行けるのですが、こちらはEU圏同士ではないので、もしパスポートがないと大変なことになるらしいですね、たとえどちらかの国民であろうとも)

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ジュネーブの駅で迎えてくれたのはなんと!でっかいプレモ(playmobil)ちゃんっ!!駅だよ、駅で!!

(プレモはドイツのおもちゃだが…こんなにフィーチャーされてるのはナゼなんだろう??もし知ってる方がいたら教えて!)

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時系列さかのぼって、これが出発前のパリで撮った一枚。列車は日本のカッコ良さとは違う、洗練されたカッコ良さがあるという印象でした。どう?

この時期、夜の8時すぎてもたぶん明るいんじゃないでしょうか、これらの国々は(^^)?夜光虫のワタクシめにはありがたい…

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