6月9日ロックの日。2年ぶりに5回目の、宮古でのパワーストック(パワスト)が開催されました。
もともとパワストは、札幌で開催されているフェス。宮古でのパワストを主催するライブハウス・クラブカウンターアクション宮古は、札幌のライブハウス・クラブカウンターアクションの言うならば‘のれん分け’。1回目のパワストは、震災から3ヶ月後に宮古市にある市場の駐車場で開催されたんだった。それがあって、カウンターアクションというライブハウスものれん分けという形で生まれた。改めて時系列でさかのぼるとそんな流れなんですね。
前回に続いて今回も、震災後に移転して復旧した田老野球場での開催。赤いコーンを引いている中は大切なマウンドなので立ち入り禁止。この右手側に非常に長くて大きな防潮堤があるのですが、そんな防潮堤を乗り越えて津波はやってきた。立地的にはこちらのページを見ていただけるとわかりやすいかな?→コチラ。
バックネット側から見るとこんな感じです。何が言いたいかと言うと、前回は気がつかなかったのですが、(このアングルだと左手側になりますが)防潮堤があるほうは海なわけで、もう空がさえぎるものなくバーっと広がるんですね。
すごかったんですよ!!!
星が!!!
まったくもってケータイのカメラなんかじゃ写せないけど、キラキラ、いーっぱいの星が瞬いていた前日の設営。海風も冷たくて日中は大雨で濡れた体でも、もうあの星のきらめきにはうっとりしてしまって。ケセンロック会場で見られる星が素晴らしいのは、もともとあの場所は「星座の森」とも言うので想像がつくとしても、あぁこんな平地でもこれだけ綺麗な星が見られるんだ!!!とメッチャ感動でした!!!
確かにわたしも岩手県人ですしね、でも、自分の実家じゃこんなの見られないわ(マジで)。
ちなみにパワスト当日が終わって撤収作業をして陽が暮れたら、しっぽの長い生き物が球場まわりをうろうろしてた…キツネでした(^^)
さて今回は前日〜当日〜撤収と丸2日間、会場で過ごしわけですが。初めての経験がいろいろありました(以下、モデルが同じ人しか出てきません。すみません)。
よく見かけるこちらの「のぼり」。これも据え付けがまた大変な作業でしてね。単にくくりつければいいと思っていたし、もしかすると実際にはそんなセンスとか目には入っていないのかもしれないけど(笑)、たとえばテントの四方にのぼりを立てるとしたら、同じ高さになるようにとかどの高さがいいかな、とかけっこう考える。おまけに風が強い日だとくくりつけるのにもものすごい力がいる。当日、倒れたりしたら大変だもんね。
それと大変だったのがこちらのバリケード立て。普段のフェスで何気なく目にしてるこれです、これ。すみません、地中に掘って安定させてると思ってました。でも野球場だし当然掘ったりなんかできませんよね?
ということでこれは1枚のパネルが畳1畳分くらいなんですが、大人2人でようやく持てるほどの重さ。そんで立て鏡のような構造になっていて、盾になる部分を直角に立たせる(お客さん側)。裏側に穴があって、隣同士を電動工具を使ってギッチリ留めていくのですが、これがきっちり隣り合ってないと穴からネジが出て来ない。あとは会場の規模にもよるのだけど、何十枚何百枚とこの重いパネルがつながりあうことで耐久度が増していくというわけですな。会場に傷をつけず設置できますが、まぁ大変(汗)。そしてお客さん側のほうにはもう一手間、パネルとパネルの間に数ミリ単位の隙間がどうしてもできるのですが、そこを養生テープ+特殊テープの二重ばりをしてようやく完成。このミリ単位の隙間に意外にも脚部の肉がはさまって傷などがついてしまうことを防ぐためなのだと。いやぁ…自分がフェス現場を続けていきたいなら、まず思ったね。
「体力つけて、体力キープせな!!!」…トシロウさんやみーちゃん細美が鍛えているのを見習おう、と改めて思った次第。
分かりづらいんですが、開催前日の設営はほぼ1日雨模様だったんですね。おまけに風も強い。体も冷えながらの作業は本当にキツかった。あとはゴミ箱の分別サインの掲示とか物販テント内のもろもろとか、細かい作業もいろいろあるし実際に、「あれやりました?」みたいなのが現場で出て来るんで終わりがない。笑
でも時間は待ってくれない!
当日。朝の6時に入ったのですが、9時開場にもかかわらずその頃からお客さんがちらほら…あ、あつい!まだ3時間前だしスタッフと同じ時間入りだよ(爆)!!
何より、この日のお天気は朝から快晴、広がる青空!前の日に雨なんてことはもうどうでも良くなった、そう、フェスの恐ろしさだよね。あとお客さんがすごくいい顔されて会場に入るのを見て、もう昨日のことなんかなんとやら。これがホントにそうなんだな(^^)
インフォメーションにいる時間がわたしは長かったのですが、手前味噌ですが、本当に目に余る行為が少なかったというか、言ってしまえばほとんどなかったように思います。わたしの会場アナウンスが少なかったのがその事実を表していると言えるでしょう。
でも、お客さん目線ではいろいろ感じることがあると思います。そんなのないフェスがあるわけがない。で、今回に関しては、防潮堤から見下ろす形で見ている人が前回よりかなり多かったのは「?」と思った方もいるかと思います。これはほとんどが地元の方たちで、こうして賑やかな音が鳴ってるのはいいな、と見に来ているような人たちです。だったら中に入ればいいじゃん!という意見もあるかもですが、それはこの場所をお借りしていることが前提としてある上で、何よりこの場所が賑やかでそんな日があるということを大切に思ってもらうのが大事だと思うし、そういうことで同意の上でこの場所を使わせてもらいイベントをしているわけで。音楽が好きな人がこれだけ集まって、これだけすごい1日を作り上げている。どうか、「じゃあ次回はチケット買わずに防潮堤から見ればいいや」とは思わないでください、チケットを買って会場に入った一人ひとりがこのイベントの景色を作り上げているのだから(^^)
そんなわけでインフォメーションはこうして誰でもウエルカムな場所なので、まぁいろいろ差し入れもらった(涙)!
ちなみにこの方は毎年、ケセンロックでわたしが担当するイベントステージ付近に陣取って「生うに」などを差し入れしてくれる方ですが、
「ちえさん、いつもより1ヶ月早いけど、また来月も(ケセンロックの時に)持って行くから!」
いやぁ本当に、「ウニは飲み物」…贅沢の極み。お言葉に甘えて遠慮なくいただいてまーっす、あざーっす!
秋田から来た方には、じゅんさい。ほか、飲み物(アルコールは固辞。笑)、スナック、などなど。あー、そうでした。最近、声をかけてくださった方との「自撮り」してませんねー、あーそうだった!ケセンではやりたい!つーか、なんでパワストでやらなかったんだろう!?泣
岩手県内はもちろん、山形のあなたもちゃーんと覚えてますよん。アラバキで初めて声をかけてくださった方にここでも会えたり、「ちえさんとハグして終わる」って言ってくれる女子たち、子供と一緒に写真撮ってもらっていいですか?なんて、もう断る理由などない(爆)!そうそう、前回のパワストの帰りに宮古までのバスが隣同士になって、盛岡についた時に「会場で喋ってた方ですよね?」と声をかけてくれた女の子(フロム関西)とも再会!いやぁこの日、どれだけいろんな方とゆっくり会えたかな?20人とかそれ以上?我ながら、すごい(^^)
基本的にアナウンスはステージ周りのマイクを使うのですが、球場ということで、いわゆる球場全体に響く音響システムも当然ある。今回、初めてこちらを使わせてもらうことができました。球場に響く自分の声って、なんか今思い返すと嬉しいですね(笑)!これがウグイス嬢だぞ!みたいな(^^)
そんでもってこの表示にも感動するよね。アーティストのライブ中は当然、アーティスト名がこちらに記載される。視覚的にもとっても素敵。
そんなわけで、前日の設営(朝4時起き)〜当日(朝6時入り)〜当日の撤収(夜8時半頃まで)といたわけですが(実際の設営スタートは数日前からで、全ての撤収終了は翌日午後になったそう)、着々と会場ができあがっていくのを目の当たりにしながら、音が鳴り止むと、するする〜っと瞬く間に元の野球場に戻っていく。準備のほうに時間がかかって、撤収は本当に早い気がする。
6月9日のイベントのために。かかっている人の力や時間、それを考えると、フェスって本当に儚くて、尊いとすら言えると思った。どれだけの、本当にどれだけのものがかかっているか。今回、身をもって体感できる機会となりました。ありがとうパワスト宮古(^^)🎶