もっと、もっともっと

きのう、文化放送『渋谷×文化ラジオ』の放送が終わりました。火曜パーソナリティ・サンキュータツオさんは広辞苑の監修にも入っておられる方だし、水曜パーソナリティ・あべこうじさんは誰もがご存知の芸人さん、金曜パーソナリティ・勝地涼さん&笠原秀幸さんコンビもテレビでとっても見かける方々。

そんななかに木曜ぽつんと、わたしですよ。「オマエ誰だよ?」な、そんなわたしが、みなさんを代表する形できのうの放送がフィナーレだったわけですよ。

あっという間のナイターオフ期間、半年間でした。本当に、ありがとうございました。

 

話は2年前にさかのぼります。

基本的には会社で働きながら、機密事項を漏らさなければ休みの日は好きなことをして構わないという会社でしたので、多くは岩手でのいろんなMCや収録でFM岩手の番組など、やらせてもらっていました。

2年前の春先にものすごく体調がすぐれなくて、というのは完全に精神的なほうですが、でもこれはその後も感じるし、振り返ってその年に限ったことでもなかったかも、と思い出すと、3月11日を迎えるあたりにはそうなるのだというのがわかったし、一生つきあっていくのだろうと思います。

そのもうちょっと前になりますが、10-FEETのスタッフと忘年会をしたとき。唐突に「ちえさんのいちばん好きな食べ物ってなんですか?」という話になり、今思うとこの歳でなんだこの会話って感じですがそれが飲み会ってもんで、とっさに「イチゴ」と答えたところ「じゃあ、年明けの3月は静岡のライブに来ましょう!イチゴの県だし!」ということで、手帳にはライブの予定を書きました。

そしてライブの日になったのですが、どうにも体調がすぐれないわけです。前日に寝られなかったのも覚えてる。気が重い、体が重い。でもライブに行けばそれが薄れるのかもと思って新幹線に飛び乗りました。そこで会場に着いたら、10-FEETの対バンで初めて見る打首獄門同好会が「うまい棒」を配っているというシーンに出くわしもうそこからは一気にライブの世界に入って、やっぱり体調が悪いのはどこかに行きました。笑

その時の10-FEETのライブでは、タクマくんがしきりに「腹をくくること」というMCをしていたのを覚えています。わたしが腹をくくるというのは何をすることなんだろうかと頭がぐるぐるしたまま、でもそんなことはその後混ぜてもらった打ち上げの席でもいっさい話さず美味しい沖縄そばをみんなで食べました(そのことを、打首〜の大澤会長と話せる時が来るなんてね。この時はこれっぽっちも思わなかった)。

それから。体調はいつの間にか回復し。フェスシーズンがはじまり、その年もケセンロックフェスのイベントステージMCを担当させていただきました。その時、ふと。「今、ラジオをやってるわけでもない、なんでもない私をこうしてMCに呼んでくれるのはありがたいけど、なぜだろう」と。ケセンロックは‘最強の素人集団’とも言われたりして、実際に実行委員は音楽の仕事をしていない方ばっかりだし、まぁそういう意味では私も元ラジオ、いま素人ということでまぁ、いいのかな、なんて思ったりしたんですが。

なんか、ちがう。

ちがう、と思いはじめたらもう違うんですよね。気持ちが。わたしである理由、が自分で分からなくなった。

わたしがラジオを、FM岩手で番組をやっていることをみんな知っていてくれて、それで声をかけてくれているんだよね。もちろん、その後のケセンロックでの積み重ねを感じてくれている実行委員の方もいるんだろうけど。でも、でも。

ケセンロックから帰って、すぐに。知り合いのラジオディレクターの女史に電話をしました。わたし、デモテープ作ろうと思う、と。もう1回、ラジオの仕事をやってみたい、と。あの動きは早かったな。

スタジオを借りて、ディレクター女史とやりとりしながら試行錯誤する日々がはじまりました。

そうしてデモテープは出来たのですが、2か月くらいかけて何本か作っても、結局はいちばん最初に録ったものが「一番マシかな」という(これはあるあるだと思う)。しかも「マシ」という程度で、絶対的な自信とかあるものが作れないのも、あるあるだと思う(笑)。

さて、と。知人や、今もお世話になっているFM青森の大先輩(ここ読んで吹き出してそう)、に、データで送ってデモテープを聞いてもらっていました。その意見を参考にして、また録り直してもいいよなぁ、なんて思いつつ。しかしながら、おおむね好意見だったのが拍子抜けしたのが正直なところと、ほんのちょっと「まだイケるのかなぁ?」なんて思ったのでした。

そんな折、G-FREAK FACTORY主催の「山人音楽祭」に群馬へと行ったのでした。そこで、きのうの『渋谷×文化ラジオ』ゲストにいらしてくださった、NakamuraEmiさんの歌を目の当たりにしたのです。

他の女の子と比べちゃ駄目だ さぁ動け動け動け動け

いい歳して何やってんだろうか。普通の女性に比べたらわたしなんて、と思っていたことが、すべて、すべてすべて。NakamuraEmiの歌が吹き飛ばしてくれた。あぁ、タクマくんの「腹くくれ」はこうすることなのだ、思っていることがもしもあるのなら、そのために動くことなのだ、と。うん、動くことなのだ、と。

山人音楽祭から帰って、知人のツテも頼って。知っているラジオ局2つに、このデモテープを持って行くことにしました。隠すことでもないので、1つは関東に引っ越してから一時期コーナー番組を担当させてもらったFMヨコハマ、もう1つが文化放送です。

これで駄目ならそれでいいやと。少なくとも、あの時はそう思っていました(今思えば、知人のツテは他にもあるよなぁ。笑)。

それはその時に何も起こらなかったのですが(ラジオはタイミングがだいたい春か秋にしか改編というものもないですし、そもそも)、ひょんなことから、想定していなかったベイFMから年始にレポーターの話があり、昨年はラジオの生レポートが仕事はじめに(箱根駅伝レポート)。そして年明けすぐ、10-FEETが主催した『東日本大作戦番外編(@ゼビオアリーナ仙台)』トークイベントのMCがありました。

10-FEETに感謝してもしきれない、と(ブログでもたびたび)書いているのは、もう今の時点で10-FEETの文字がこんなに出て来ていることからも伝わりますよね。笑。2日間が終わって10-FEETのメンバーやらと撮った写真がいっぱいある。とにかく嬉しかったというのが分かる大量の酔っ払い写真。

なんとなく、これでいいんだと思った東日本大作戦でした。ラジオがどうの、じゃなくていいのかなと。「アーティストの資料を追ってするインタビュアーばっかり。そんな人にお願いなんかしませんよ、いくら有名なラジオDJだとしても」と10-FEETチームが言ってくれて、もう、これで。いま思い出しても涙が出る。

昨年の3月11日FM-FUJIの特別番組に出演させてもらったり(また体調を悪くしつつも)、ベイFMのレポートは続いたり、たまたま、という表現は語弊があると思うけど、フェスが去年はいろいろとあって、それから2か月に一度くらいは大きな場所でマイクを持って、いつものアーティストたちに会えてお酒が飲めて、それでなんか幸せに思えてました。

また、ケセンロックがあっという間にやって来て。震災後に大船渡へと頻繁にやって来ている落語家・三遊亭楽大さんも引っ張り出しながら(音楽好きなのだ!)、昨年は自分の中で‘しこり’のようなものは一切なく、ただ楽しんでステージに立ちマイクを持たせてもらった2日間でした。

そのケセンロックに、(当時)文化放送の方もプライベートで遊びに来ていました。

あとは、もうすごいスピードで、いろんなことが、こんなことがあるのかと。目まぐるしく変わって。昨年10月に『渋谷×文化ラジオ』がはじまりました。

 

きのうの大団円を迎える前は、いくつか10-FEETの曲が頭でぐるぐるしていて、全曲10-FEETでもうまく番組を構成できた自信があります(笑)。そんなわけで、分かる人には分かるきのうのわたしのTシャツね☆

‘MISSION IMPOSSIBLE’と大きくプリントされている。10-FEETが好きな方ならおなじみですね♪

不可能なミッション。わたしにとっても、文化放送の番組はある意味、大きすぎて、まさに不可能なミッションでした。

でもでも。番組が終了して一夜明け、いま、手に残る、心に感じる、不思議な手ごたえ。

「ちえさん、どんな形でもいいから、絶対に残るメディアのラジオに、残らなくちゃ駄目ですよ。ちえさんは、残らなくちゃいけない人だ」

10-FEETのマネージャーが言ってくれた言葉を胸に刻み。

 

来たる4月から、毎週(木)深夜2時〜引き続き、文化放送で番組を担当させていただきます。スポットを当てるのは、もちろん音楽です。アマガイさん(写真ひだり)にも聞いてもらえて、もっと音楽に興味を持ってもらえる番組作りをめざします(^^)

渋谷×文化ラジオのレポーターでおなじみだったアマガイさんがきのう、最後のさいごに言っていた言葉も忘れられないものになると思う。音楽のチカラは、音楽好きとか関係なく誰にでもふって湧いて来るものだと。アマガイさんのおしゃべりが気づかせてくれました。「(わたしのことを当初)どこのオバサンだと思いましたわ」と悪気なく正直に言うアマガイさんとはこれからも文化放送でおつきあいが続きます。ふふ。

 

今の気持ちを忘れないように。忘れてもいろんなことを思い出すように。いやきっと忘れないと思うけど。だって記憶力悪いのにこんなに時系列追って思い出せたもの。笑

これまでのすべてに。文化放送のみなみなさまに。これまで番組を聞いてくださった方へも、文化放送のリスナーのみなみなさまにも。ぜったいに忘れない、感謝の気持ちを込めまして。

次の一歩を踏ませてください。そして、どこまでか分からないけど、続くその一歩をいっしょに歩んでもらえたら嬉しいです。

どうぞよろしくお願いします。もしもこのブログに行き当たってここまで読んでしまった方、もう逃げられませんからね。ふふふふふ☆

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