福岡県朝倉市へ

(前項つづき)鹿児島に行く前に、福岡県朝倉市へ参りました。7月に九州北部豪雨に見舞われ、甚大な被害を受けた土地のひとつです。

私が行ったのはそれから2か月以上経っているわけですが、至る所にかなりの傷跡が残っていました。

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幡ヶ谷再生大学も活動をしております地域でして、この日は、ゆかりさんの運転(ご存知な方は「!!!」でしょう?笑)で。「ちえぞう、朝ゴハン食べた?」と地元のかしわ飯を買って用意してくださっていた。味付けが東北とは全然違って濃いめの味付けだったけど、とってもおいしい。別におにぎりを食べていないわけではないのだけど、こういう場に行く時に食べるおにぎりは震災後のいろんなことを思い出さずにはいられない。あの時はFM岩手が入るテレビ岩手の食堂の方がありったけのごはんを炊いて、FMにもそのおすそわけがあったのだった。おいしかった、本当に。そしてそんな非常事態でもお腹って無情にもすくのだよね。これ以上食べられないと思うともっと食べたくなったりしてしまう。

ちなみに朝倉市までは、博多の中心部から高速バスで1時間ほど。

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朝倉市の中心部というのか、街の中も被害を受けた場所というのはあるのだけども(腰の高さくらいまで川の水が氾濫したというお店も)、ひとたび山のほうに車を走らせるとこうした風景が見える。山の木がなぎ倒されている。そしてその木は、

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なかなか写真に収めるのが難しいのだけど、収穫目前の田んぼに多数、横たわる。

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そしてその木がなんとも重たくて、取り除くのが非常な重労働なのだ…そして木を取り除いたとて、下敷きになってしまって駄目になってしまった稲もある。でも何にせよ、取り除かなくては、この先も考えられない。

(こちらの写真は、取り除いた木を片付け時に運びやすく切断している)

私が行った日は農大の学生さんや一般のボランティアの方も汗を流しておられた。やっぱり体力はなくてはいけない、つけておかなくてはいけない。

ちょっと写真にも赤い花が見えるけど、彼岸花がとても綺麗に咲いていたっけ。あんな水害にあってもたくましく育っている稲や咲く花を見て、チカラをもらう。この日は稲の収穫作業をされている家庭にもお邪魔させてもらった。いろんな食べ物、もっともっと大事に食べようとも思った☆

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載せるのは個人のお宅が特定されないような写真にしておくのでここまでにしておきますが、家の片付けもままならないような、でももう住むことなどできないだろうというお宅が至るところにある。

普段履いている靴、読んでいる本、使っているあんなものこんなものが散らばっている。これは、東日本大震災後、津波に襲われた場所と同じ様な風景だ。

九州の豪雨は、雨だけで家をもこんなにめちゃめちゃにしてしまったんだ、と水のおそろしさにおののいた。

いま、大雨などで避難指示が前よりもたやすく出るようになったのも納得できる。何かあってからでは遅い。山が崩れてどこからともなく鉄砲水になったり、やはりとてつもないことが起こる、そして起こってしまってからでは遅い。

日本に住んでいれば、これからもいろいろなことが起こるだろう。いや、起こることにつき合っていかなくてはならないのだ。

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1日がまたたく間で、幡ヶ谷再生大学生がよくお世話になっているという仕出し屋さんで夕ご飯をいただく。あれもこれも、とにかくおいしいお袋の味(このあと更におかずが出て来た)。おいしくて次の日の朝ゴハンにとさらに詰めてもらっちゃいました(笑)!

このお米もね、今日見に行った田んぼで穫れたお米なんだ。来年はどうかな、食べられるかな。収穫はできていても、駄目になった稲も当然あるし、数に限りがあるものね。

地元のおいしいお水で、地元のものを調理して、その地元で地物を食べる。だから美味しいんだよ、って。

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ハデだけど似合っている髪色がトレードマークの仕出し屋のおかみさん。なんというか、九州の方たちは「あっけらかん」としている。自分たちがたいへんな被害に遭ったことなんてもうすっかり過去のように、まるで私はもてなされに行ったかのような形になってしまった。

もちろんそれは表向きで、どんなに痛手を追っていらっしゃるか。こちらの仕出し屋さんだって川は見えるところに流れているわけではない。なのに、水はみるみる押し寄せて足をすっぽり覆うほどの水に覆われた。店内のいろんなところにその爪痕が残る、そんな中、少しずつだけど、営業を再会した矢先だ。

また、必ず伺います。そしてこの目で見ること、できる何かをすること、それが大切なことだと思っています。

だから、体力をつけていなくてはいけない。金銭的な部分も含めて、いろんな意味での、すぐに動ける、体力、を!

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