6月10日。パワーストック前日。盛岡⇨宮古にバスで向かう。降りたらまさかのコーイチさんが同じバスだった(10-FEET/そのあと、PAの西片さんも公共交通機関のバス移動だった)。西片さんが言ってたんだけどね、「いわゆる普通の皆さんはどうやって来るのか、気づくことも大事じゃん」といったようなことを。
ライブハウス大作戦まわりの方々は、こういう感覚を忘れない方ばかりだから好きなのだ(^^)
さてさてワタクシめはですね。前日の会場設営にお邪魔したわけですー。まず。
新しくできたばかりの野球場です。宮古市田老野球場。ワタシが写真を撮っている場所から反対側を見てみると、
海です。そして左端には、新しく防潮堤が建設されています。つまりはここは、野球場が完成した場所というのは、東日本大震災の津波をかぶって、流されてしまった場所なのです。もっと左に目を転じると、3階(だったかな)より下は鉄骨だけむき出しのまま残っているホテルが、今もまだあります。
ぼんやりと、ここから海のほうを見ていたら。地元の方々に会いました。どこから来たんだ、っていう他愛もない話から。
明日はここでイベントがあるんだ、いいな、だって、気が紛れるもの、どんな音楽だっていいべさ、人がいて、音楽が鳴ってるってだけで、気が紛れる。
ほら、見てあっちさ建物立ってっぺ(野球場の先に5階建てのマンションがある)、今、あそこさ住んでんの。前はさー、2階建ての家で広くってさー、今なんかちょこんとしたもんだよ、台所と、お風呂と、部屋と、な。前だったらお隣さんも戸を開けてっとこがあっから、「元気だかー?」なんて家をのぞいて話っこできたりしたのに、今はそんなこともできないもんね、いちいちピンポン押してまで話しに行くのも、なんか違うっちゃ。
家もないし、やることもないし、もうね、なーんにもないの。前は漁も、やってたんだけどさ。
私「また、海に出て漁はやれるんじゃないですか?」
…だってさ、いないんだもん。人も。家も、旦那も、流されて、さ。
(そうか…おかあさんは、おとうさんが穫ってきた海の幸を、陸で作業する仕事だったということだよね…)
こうやってさ、あなたみたいな人に話ができるだけでも、いいの。どんどん人も来てくれたらいいと思う。あのさ、明日のイベントってさ、ここから見ててもいいべか?見えなくていいのさ、音が聞こえれば、それだけで。
…ワタシがNOなどと、この場で言えるわけがないでしょう。
明日、来てくださいね。ここから見ててくださいね。って言っちゃいました。すみませんごめんなさいスタッフのみなさま。でもね、目視で確認した。こうして話をした地元のおかあさんたち3人は、翌日のパワーストックの日、同じ場所にいたことを(^^)
生きていくということは、それだけで尊い。何かしてなくちゃ、なんてこともワタシは、まわりが決めることでなくて自分が良ければそれでいいんだし、SNSで「いいね」をもらうためにがんばってる最近の風潮とか、とことん、くだらない。
何もしてなくたっていい。最低限のお金があって、最低限の生きていく、ということができることが、どれだけ今、難しいか。
地元のおかあさんたちと話しながら、改めて思う。生きること生き抜くこと、ただそれだけが尊いということを。
たまに行く、武蔵小杉の駅の同じ場所に。いつもいつも、たたずむ一人の女性がいます。ただ、そこにいる。その行為がただ、尊いといつも思います。関東にいると毎日、本当に毎日、どこかの路線が人身事故で止まっている現実に胸が苦しくなる。そんなに難しく考えないでほしいと強く思う。思うようにいかなくたって、それでも。生きること、生き抜くということ、それが大事なのだということを。そして武蔵小杉にいる女性は、それを身を持ってみせてくれている。そして、こうして宮古のおかあさんたちに会って、またその気持ちを確かなものにしたのです。
駆け込みだったけど、前日の設営に間に合ってやっぱり良かった(^^)
明けて、6月11日(日)!
残念ながらお天気はこんな感じで、どんより、たまに、雨。でもひどい雨降りにならなかったのは幸いかな☆
10-FEETの時、会場入り口の飲食ブースも人が閑散としてた(写真)。
写真だとあまり見えないよねー、残念。出演アーティストの名前がスコアボードにちゃーんと出たのだよ。「BRAHMAN」って、見えないかな?
パワーストックのトリを飾った、ブラフマン。
地元の方たちに、6月11日はイベントがあるんだと挨拶に行ったところ。みんなみんな、「楽しみにしてる」「にぎやかになっていい」といった反応だったと言う。でも、一人。こういうことを言って、怒鳴った方がいたという。
「何の日か分かってんのか?月命日だぞ。何考えてんだ?」
ここまでは、トシロウ神のMC。以下、ブラフマン・トシロウ神が語ったことに加え、自分の記憶とか、思いとかがごっちゃになりますが。
でも、でも。こうして起こったことがあって、今、ここに野球場ができて、今でも何かあったら駆けつけてくれる人たちがいて。でも、でも。それでも、みんな同じように前を向く、なんてできないんだよね。だから、怒鳴る人がいたって当然。でも、今を生きるということに、「戦って」いかなくては。生きるために戦わなくては。それは、自分自身の気持ちに対してもそうなのかもしれないかも、とトシロウ神のMCを反芻しながら今、思う。
涙がぽろぽろぽろぽろ、こぼれて仕方がなかった。でも、そんなの、わたしだけじゃなかったよ☆
ライブを見て、あぁ良かったとか心動かされた、とか、そんな思いをこれまでもいっぱい、してきてる。
けど、そこから、自分はどうしたのかな。どう変わっているのかな。何か、動いているのかな。どうなのかな。いろんな言い訳作ったりして日々、なぁなぁとしてることはないのかな。生きること生き抜くこと、それだけでも尊くて大変なことだけど、でも、もし自分が何か心の中に思っていることがあって、にもかかわらず動いていないんだったら違う話だ。
ぼやぼやしてたらあっという間やでー。
って、10-FEETのライブの時にタクマくんが言っているのが聞こえた。自分の耳をつんざくように今も響く。
ライブね、例によってこの日も、ほとんど見られていないんです。でも、心に残ることとか心動かされたことというのは、ちゃんとあってさ☆
フジロックとかでもMCしてる、MOBSTYLESの田原さんとご一緒させてもらいましたー!イエイ!声がいい〜♡
(休憩時間にステージに上がった、地元の草野球チーム・三鉄キットドリームスのみなさんと/応援キャラクターはバッファローマン!)
その昔、みちのくプロレスのリングアナをさせてもらった時と同じくらいに今回、感じたこと。田原さんのMCを聞きながら、やっぱり男性しかできないMCもあるし、でも女性しかできないMCもあるということです。フェスで言うと例えば、「楽しんでいこうぜ〜!」みたいな(言葉尻はともかく)、盛り上げ的役割が強いMCは、男性の太い声のほうが、残念ながら説得力が高いのです。ここに挑んでいくのは、たぶん違う。でも、自分なりにフェスだったり音楽と関わることはできる。昔だったら「私もできるようになりたい」と望んだと思うけど、今は、自分ができること・自分にしかできない関わり方をもっと突き詰めていきたいと思います(^^)
そんなわけで、この日は会場の盛り上げなどステージ前面に出ることを田原さんにお任せしまして、注意事項はワタシが請け負って喋ったんですが…
なんで最後の最後、あんなに噛んだのか…
「ちえさんが珍しい!」「ダッセー!」「なんだあれ?」って、終わってから爆笑に爆笑されました、ハイ。お客さまからも「人間だもの!」って慰められました(笑!やさしい!!)。挙げ句の果てには某クラブカウンターアクションスタッフに「オレの結婚式は司会してもらうから。その時10万ギャラ渡すけど、いち噛み1万、抜いてくから、たぶんちえぞうのギャラ、ゼロだぜ!ガハハ!」…いちから出直しです。やっぱり、やめられない。まだまだ、もうちょっと!
そんな今回。もうひとつ。
西片さんの生き様がかっこいいことを身近にすごく感じました。
年齢を重ねるといい加減、後進に道を…とか、若い方たちに仕事を奪われて、といったことが起こって来ます。でも、西片さんの仕事現場近くで(今回、影アナのMCマイクがPA席だったのです)目と動く手をはじめて間近に見ながら、思った。
これしかない、という自負。その自負が、どれくらいあるのか。そしてその自負を、自分自身が信じるしかないんだ、と。
…終わってから西片さんに伝えようと思ったら、逆に西片さんからぎゅっとハグされたのでそれでもう。言葉は伝わってると思います。笑!
宮古からちょうど1週間。宮古、本当に本当にありがとうございました!でした!!