2012年3月11日午後2時46分

いま、FMヨコハマで、このブログを書いています。
この日をこうして放送局で迎えたのを不思議に思います。
その時間には畠山美由紀さんがFMヨコハマを聞いている方のためだけに歌ってくれた「わが美しき故郷よ」が流れました。
どうしても、どうしても。美由紀さんの歌を届けたかった。この日には。
3月8日の午後から岩手に行き、きのう夜に関東に戻りました。
改めてまた書きますが。遠野に1泊、釜石で放送をし、宮古で仲間たちに会い、田老の海へ。
宮古のホテル・熊安には、何度か宿泊しているんですが。きのう、初めて気づいた、この掛け軸。

「一生は下閉伊郡のたび路なり  里くには峠 海は荒波  稲造」
と、記されているそうです。新渡戸稲造の書。
下閉伊(しもへい)郡というのはその昔の岩手の郡ですね。宮古付近の沿岸地区。
「たび路」は「旅路」、「里く」は「りく(=陸)」を指す。
人生を下閉伊の土地になぞらえて書いたのでしょう。
新渡戸の言葉を借りるなら、人生は厳しくて厳しくて、また、厳しくて。厳しい連続が当然なのか、と。
でも。
旧・下閉伊には、その土地が持つ厳しさゆえ、なのか。
人として、人間として。とっても当たり前のように人のために動けて、人の気持ちを理解できる、バカどもがいっぱいいます。
とっても人間らしいおバカ野郎ばっかり。
さらに偶然にも、私はいま「武士道」の解説本(武士道難しいんだもん…)を読んでいます。
そしてそんな折り、そして、あの時から1年を迎える時に。
こんな出会いもあるんだなぁ、と、思いました。
ちなみに。
この書は複製。本物は、ホテルの社長が保管しているそうです。その昔、ホテルの前身の旅館の時に宿泊した新渡戸が残していったんだそうです。
この複製の掛け軸も、津波で半分くらい水に浸かってしまったそう。でも、今はこうして。また客人を迎えています。
さぁ、歩きましょうか。それぞれの、おのおのの、ペースで。
全っ然、進まなくったっていいから。
ちょっとの歩みが、なんらかの出会いやつながりに結びついたりする。今回も、そんなことを痛烈に感じた。岩手に行って。

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